伊賀上野城下町ホテル
- [公開日:2024年6月4日]
- [更新日:2024年9月3日]
- ID:7252
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あしあと
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NIPPONIA HOTEL伊賀上野城下町
人口減少や少子高齢化に伴い、全国的に空き家の増加が社会問題となっています。
市内でも空き家の増加が進んでおり、特に伊賀上野城下町(中心市街地)の空洞化が急速に進んでいる状態です。空き家密度も1km平方メートルあたり郊外では8.6棟ですが、中心市街地は220棟ありおおよそ26倍と高くなっています。
さらに75歳以上の高齢人口がピークとなる2030年以降は、一転して高齢者人口が減少することから、中心市街地においても空き家が加速に増加することが想定されることから、空き家の発生抑制や活用が喫緊の課題となっています。
また、伊賀上野城下町には、歴史的建造物が多く残されていますが、活用されず放置されたままになっています。これらの歴史的建造物やその景観をどのように保存し、時代を担う世代に継承を図っていくか、また、地域資源・社会資源として、どのように観光や新たな産業の創出に繋げていくかも重要な課題となっています。
これらの課題を解決する手段として、2019年3月にJR西日本、(株)NOTE、(一社)ノオトと市の4者が業務連携協定を締結し、城下町に点在する歴史的資源である空き家となった古民家を活用した観光まちづくりにより、まちの賑わいに繋げていくことを目的として、伊賀上野城下町ホテル(古民家等再生活用事業)を展開するため、官民連携したまちづくりを進めています。
また、中心市街地の対策として「伊賀市古民家等再生活用指針」を策定しました。本指針では城下町をモデル地区として、地域に点在する空き家となった歴史的建築物をホテル等にリノベーションし、観光アプローチで移住交流人口を増加させ地域活性化を図ることとしています。
連携協定2019年3月7日(左からJR西日本、伊賀市、NOTE)
2019年は事業の立ち上げとして、栄楽館(上野相生町)、旧福森邸(上野幸坂町)、広部邸(上野農人町)といった空き家になった町屋を古民家ホテルとして改修しました。栄楽館は、客室のほかフロント機能やレストランを設けました。また、旧福森邸と広部邸には客室を設け、第1期開発は3棟10室からスタートしました。
フロント機能のある栄楽館から、それぞれの客室へは徒歩等で移動し、客室までの間、まち歩きを楽しみながら回遊してもらう新しい宿泊施設のスタイルとしています。
2020年11月にホテルが開業したときはコロナ禍で観光業界が逆風の中、小規模分散型ホテルで密が発生しにくい環境もあり、計画以上の稼働となりました。
2024年、第2期開発として新たに2棟が完成したことにより、現在、5棟14室とレストランが営業を行っています。
開発イメージ図
NIPPONIA HOTEL伊賀上野城下町
築150年の国の登録文化財で、江戸時代から続いた生薬問屋が、明治から昭和の時代に料理旅館として営まれてきた施設で、1993年に旧上野市に寄贈されました。寄贈後は、生涯学習施設と形態を変えながら、受け継がれてきた歴史的建造物です。中にはフロント、レストラン、客室が広がります。文化財だからこそ感じられる趣のある空間も魅力のひとつとなっています。
棟名の「KANMURI」は、ホテルのフロント機能を持つことから、当ホテルの冠としてと名付けられました。
KANMURI棟
明治初期に伊賀街道の始点に建てられた町屋です。城下町の伝統的な町屋には、三重県建築学会賞を受賞したモダンな客室と奥行きの深い開放的な空間が広がります。同施設に伝統工芸品「伊賀くみひも」の工房があり、くみひも体験ができ伊賀の癒しと文化の両方を満喫することができます。
棟名の「KOURAI」は、敷地内に組紐屋があることから、組紐の中でも高級な平組の高麗組から名付けられました。
KOURAI棟
虫篭窓や親子格子、厨子二階など、町屋ならではの面白さの詰まった建物です。4室の客室の中には、庭園を眺められるテラス付きの客室や蔵を改装した一棟貸しのお部屋があります。
時の流れを忘れをゆったりと感じながら非日常を感じることができます。
棟名の「MITAKE」は元々は建材屋として、一枚板をふんだんに使った建築物を思わせるミタケ組から名付けられました。
MITAKE棟
この建物は、松尾芭蕉の門人広岡雪芝の屋敷が所在していた場所と言われています。広岡雪芝は、自身の屋敷を野松庵と称していたことから、棟名を「NOMATSU」としました。松尾芭蕉の俳句にちなんだ、一本松が植えられています。
江戸時代末期の建物で、築年数は約150年程度経過しているものの、当初の原形がほぼ保たれており、虫篭窓、仕舞多屋格子など伝統的で美しい建築を髄所に感じられる施設となっています。
NOMATSU棟
この敷地は古くは戦国期に活躍した藤堂家の家臣である野崎新平家の下屋敷跡に建てられた邸宅をリノベーションしたもので、当時の面影が残る5,000平方メートルを超える広大な敷地に池を中心とした回遊式庭園が特徴となっています。このことから棟名を「NOZAKI」としました。
施設に1歩踏み込むと、プライベート空間となっており、当時の武家の邸宅を感じる特別な時間を体験できる施設となっています。
この棟は一棟貸し切りタイプの施設で最大8名まで宿泊することができます。
NOZAKI棟