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あしあと

    伊賀市解放保育基本方針

    • [公開日:2020年4月23日]
    • [更新日:2020年4月23日]
    • ID:3052

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    はじめに

     伊賀市では、1965年(昭和40年)の「同和対策審議会答申」の精神に基づき、1969年(昭和44年)の「同和対策事業特別措置法」をはじめとし、33年間の一連の同和対策関係法令により、市内のすべての保育所(園)において、部落差別をはじめ、子どもにかかわるさまざまな差別の撤廃に向けた解放保育の取り組みを進めてきました。
     しかしながら、伊賀市合併後それまでの地域の温度差により、取り組みにばらつきがあるのも事実として現れてきています。親の思いは差別が続いているかぎり、「子どもが差別に出会ったとき、負けてほしくない。一人では生きていけない、仲間が必要である。だから仲間を避ける子どもにはなってほしくない。差別を許さない仲間づくりをしてほしい。」という思いや願いに変わりはありません。その親の思いや願いを受け、保育の中で実践していくために、今、私たちに求められていることは、共に認め合い、共に生き、共に育ちあい、子どもの生きる力を培い、子どもの持つ可能性を最大限に発揮できる保育を実現していくことです。
     こうした状況を見据え、2004年(平成16年)11月に制定した「伊賀市における部落差別をはじめとするあらゆる差別の撤廃に関する条例」に基づき、今後子どもを権利の主体として尊重し、人権尊重の社会の実現を担う子どもを育てるために、「伊賀市解放保育基本方針」の策定を行うものです。

    解放保育の推進

     私たちは、すべての保育所(園)で解放保育を推進するとともに、保育者・保護者の人権の視点に立った子育ちのあり方、また対等な人間関係を大切にする仲間づくりへの取り組みとしてその実践を積み重ねていくことが大切です。
     伊賀市の保育目標である「生きる喜びをわかちあい、心身ともに健やかにのびる子ども」を柱に「ひとを認め、ひとを思いやり、ひとの痛みがわかる子」を解放保育の基本理念に据え、子育ちにかかわる多くの悩みや課題を抱えてきた保護者や子どもの尊厳を奪われている現実に学び、一人ひとりの人権が大切にされ、子どもの「生きる力」をはぐくみ、人権尊重を基盤とした、保育実践を展開していきます。

    保育内容の充実

    1. 自分のことが好きで、自分を大切にする子どもを育てます。(自尊感情)
    2. 友だちを大切にし、互いの違いを認め合いながら、仲間とつながりを広げていける子どもを育てます。(他者受容・仲間づくり)
    3. 命を大切にし、尊重できる子どもを育てます。(生命の尊重)
    4. 自分の思いや意見が言え、判断できる子どもを育てます。(自己決定)
    5. 見通しやイメージを持ち、何事にも主体的・意欲的に取り組める子どもを育てます。(意欲と主体性)
    6. 「おかしいこと」を「おかしい」と感じ、言える子どもを育てます。(反差別の気持ち)

    職員研修の充実・強化

     すべての保育所(園)職員が、あらゆる差別の現実を認識し、自らの課題として深く学ぶ姿勢を養い、差別を見抜き・許さず・なくしていく感性と実践力を培う研修を行います。

    • 同和問題をはじめとするあらゆる人権課題への共通認識
    • 研修内容の充実と資質向上
    • 実践の交流、情報交換 

    保護者との連携

     子どもの育ちを保障するためには、その子どもの背景を知ることが大事です。とりわけ、子どもの人権意識は、まわりの大人の姿勢や考え方に大きく影響します。保育所(園)と家庭がともに「どんな子どもに育てていくか」共通の認識をもって保育を進めていきます。

    • 子どもの生活実態から見えてくる差別の現実把握
    • 保育所(園)と保護者同士がともに考えあう機会の設定
    • 保護者同士がつながり合う場の設定

    地域・関係機関との連携

     子どもを取り巻くすべての大人が豊かな人権感覚を持ち、信頼しあえる人間関係づくりに努め、地域ぐるみの子育てを進めていきます。

    • 人権を基調にした子育てネットワークの充実と連携
    • 将来的な子ども像を見据えて保育所・幼稚園・小学校・中学校・高校も視野に入れた地域との連携
    • 子育て支援の促進

    計画の策定への支援

     市はすべての保育所(園)で解放保育の推進を図るため、それぞれの保育所(園)が解放保育に関する具体的な計画を策定するよう支援する。(2012年6月)