施政方針
- [公開日:2026年4月6日]
- [更新日:2026年4月6日]
- ID:3492
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令和8年度施政及び予算編成方針について掲載しています。令和8年度予算書・予算概要書については、こちら(別ウインドウで開く)をご覧ください。
令和8年度施政及び予算編成方針について5つのビジョンに分けて説明します。
令和6年11月の就任以来、全職員とともに力を合わせ「公共の再生」や「豊かな人づくり」をはじめとする施策に取り組んでまいりました。特に、市民の皆様との「つながり」を結び直すことを念頭に置いて、市民との対話や現場に出向くことを通じた課題把握や政策形成に注力してきました。
令和8年度は、新たに策定した「第3次伊賀市総合計画」に基づき、まちづくりを本格的に推進する年となります。その理念と取組みを、具体的な事業として市民の皆様の日常に着実に届けてまいります。
こどもから大人まで誰もが学び続け、成長し、地域で活躍できる「学びと成長を支える取組み」を進めるとともに、物価高騰をはじめ厳しい社会経済情勢の中でも、市民のくらしと地域経済を力強く支えるため、「生活を守る施策」を充実させます。
こうした取組みを通じて、一人ひとりにあたたかな安心が行き届き、未来への希望を感じられるまちを実現していきたいとの思いを込め、令和8年度当初予算を「人をはぐくむ、くらしを守る 伊賀のひだまり予算」と名付けました。
なお、予算編成にあたりまして、国が公表している令和8年度地方財政対策案において、一般財源総額が前年度を上回るなどの前向きな見通しが示されていますが、伊賀市では令和7年度決算見込みをベースとして予算編成を行いました。限られた財源をいかに有効活用するかということを常に念頭に置きながら、市民の皆様とともに、ぬくもりと活力に満ちた持続可能なまちづくりを着実に進めいくための予算としております。
それでは、令和8年度当初予算の「いのちをまもる」「くらしをささえる」「ひとをはぐくむ」「にぎわいをつくる」「総合計画の推進」の5つの分野に沿って、主な取組みについて申し上げたいと思います。
防災・危機について
防災対策については、令和6年1月に発生した能登半島地震を踏まえ、必要な生活関連物資の備蓄や通信手段の確保をはじめ、被災者の生活環境の整備に引き続き取り組んでまいります。今後、南海トラフ地震の発生が懸念されることから、特に孤立しやすい地域に対する防災・減災対策を一層進め、地域の皆様とともに、大切な生命と財産を守り抜くために万全を尽してまいります。
消防・救急について
令和8年に入り、火災が多発していることから、2月9日から2月28日までの間、「火災多発非常事態宣言」を発表しています。
また、昨年の大船渡市等での大規模な林野火災を踏まえ、林野火災警報・注意報を発令することが可能となるよう、関連する議案を今定例月会議に提出したところです。改めて、市民の皆様には火の取扱いに十分注意いただきたいと思います。
救急救命の充実については、高止まりする救急需要に対応するため、日勤救急隊(デイタイム救急隊)を創設し、令和8年4月から運用を開始します。デイタイム救急隊は、日中の救急需要が多いことを踏まえ、平日の9時から16時まで運用するもので、伊賀消防署に配置します。デイタイム救急隊の創設により、各分署からの出動が減ることで、救急現場到着平均時間の短縮による、さらなる市民サービスの向上を見込んでおります。
医療について
2次救急医療体制ですが、名張市立病院は令和7年10月より地方独立行政法人に移行しましたが、引き続き3つの基幹病院が連携して従来通りの体制が維持されております。
また、産科医療では、伊賀地域において、分娩できる医療機関が伊賀市内の1か所のみとなっていることから、当該医療機関との連携を密にし、三重県や名張市と協調して、医療機関への支援を進めてまいります。
上野総合市民病院では、令和7年8月の市議会からの提言も踏まえ、地域医療構想への対応や施設整備に関する検討など今後のあり方について、三重県が策定する「新たな地域医療構想」の方向性等を注視しながら、検討してまいります。
医師確保においては、依然として厳しい状況が続くなか、令和8年4月から常勤の消化器内科医1名を確保するとともに、3名の臨床研修医が内定するなど、一定の成果が出ています。また、令和8年度には、下部内視鏡装置や透視装置、生化学自動分析装置などを更新し、医療の質の向上を図ってまいります。
健康について
3月は自殺対策強化月間です。自殺対策については、若年層の自殺者数が高止まりしている現状を深刻に受け止め、私自身も先頭に立って啓発活動を一層強化してまいります。自殺は個人の問題ではなく、社会全体で解決すべき課題として「誰も自殺に追い込まれることのない社会」の実現をめざします。
検診業務について、伊賀市のがん検診受診率は県内最下位という現状は極めて深刻であると受け止めています。そこで「最下位脱出!がん検診V字回復プロジェクト」と題し、市内で死亡者数が最も多く、医療費負担も大きい「肺がん」に焦点を当て、検診の重要性を広く周知します。あわせて、肺がんの最大のリスク要因である喫煙に対し、私自身の禁煙経験も含め禁煙の啓発やサポート体制を強化することで、発症そのものを防ぐ予防対策にも注力します。一人でも多くの方に受診していただけるよう、受診環境の整備と啓発活動を推進し、受診率の向上に取り組んでまいります。
スポーツについて
スポーツ施設の整備については、長年にわたり市議会での請願採択や各種団体から要望をいただき、昨年9月にはスポーツ団体の連名で「人工芝グラウンドの早期整備を求める要望書」も提出されてきました。これらを踏まえ、長年の懸案となっていました課題を前に進めるべく、スポーツ施設が集積されている阿山運動公園を念頭に、グラウンドを人工芝化するなど、「人が集まる」「人がつながる」拠点整備を進めてまいります。
また、スポーツを通じた交流人口の拡大や地域活性化につなげるべく、スポーツ団体等に対する宿泊補助制度を新たに創設し、スポーツ合宿等の誘致を促進することで、スポーツツーリズムを推進してまいります。
高齢者・障がい者福祉について
高齢者福祉について、現在「みんなで創ろう!いつまでも元気な笑顔が輝く支え合いと安心のまち」を基本理念に掲げ、「高齢者輝きプラン(第7次高齢者福祉計画・第9期介護保険事業計画)」に基づき各種取組みを推進しています。令和8年度は本計画の最終年度となるため、令和9年度から令和11年度までの3年間を期間とする次期計画を策定します。策定にあたっては、現在実施しているアンケート調査から得られた65歳以上の市民の皆様の生活実態や介護現場が直面している課題を的確に反映し、市民の皆様が住み慣れた地域で安心して暮らし続けられるよう、介護需要の増大と担い手の確保など、持続可能で実効性のある計画を策定してまいります。
また、物価高騰の影響を踏まえ、在宅で生活する要介護認定者等の皆様を支えるため、紙おむつ等の介護用品購入費用に対する給付金額を引き上げます。ご家庭の経済的負担のさらなる軽減と在宅介護環境の充実を図ります。
福祉人材の確保と定着について、人口減少が進む中、福祉分野における人材確保が極めて重要な課題となっています。社会全体で、私たちの安心な暮らしを支える「ケアする人をケアする」という視点が求められています。そこで、介護サービス提供体制を維持するための事業を行ってまいります。まず、ケアマネジメントの要である「介護支援専門員」(ケアマネージャー)を対象とした支援制度を新たに創設します。資格取得や更新に必要となる費用をサポートすることで、現場を支える専門職の方々の経済的な負担を軽減し、離職の防止と定着の促進、さらには次代を担う新たな介護人材の確保を図ってまいります。
また、本年4月1日以降に、市内障害福祉サービス事業所に就労した方に対して支援金を給付し、継続して6か月以上在職した方に対しては追加支援金を給付します。さらに、本年4月1日以降に就労した方で、伊賀市へ移住された方には移住に対する支援金を支給します。
環境について
脱炭素社会の実現に向けた取組みとして、令和8年度から10年間を計画期間とする「地球温暖化対策実行計画」の区域施策編の策定に取り組んでまいりました。令和8年度からは、この計画に位置付けている各施策、特に中小事業者の脱炭素の取組みを支援するとともに、市民の皆様の省エネ行動を促進し、さらに、幅広く市民の皆様にご意見を聞かせていただく新たな手法を検討するなど、最終的な目標である2050年までにカーボンニュートラルを実現するよう取り組んでまいります。
廃棄物について
将来に向けた持続的かつ安定的なごみ処理体制の構築について、令和7年度に策定した「ごみ処理広域化基本構想」を基に4市町村で広域化に向けた協議を進めています。今後は、公共の責任が重要であるとの認識のもと、事業方法等の検討を行ってまいります。
市内の家庭ごみや生活排水の収集・運搬から中間処理、最終処分までを含む適正な処理体制を確立するため、令和8年度から10年間を計画期間とする新しい「一般廃棄物処理基本計画」を策定しました。
その取り組みのひとつとして、いがっこ給食センター夢(中学校)で先行実施している、給食残渣や調理くず等の生ごみを堆肥化する取組みを、いがっこ給食センター元気(小学校)、自校式給食施設にも拡大し、100%堆肥化を実現させます。ごみの削減や再利用にも取り組み、食育の推進とともに、こどもたちに資源循環の大切さを伝え、学校教育の現場での環境学習の教材として活用してまいります。この計画に基づき、一般廃棄物の減量化や再資源化を進め、循環型社会の形成を具現化してまいります。
上下水道について
将来に向けた安定した上下水道事業の運営のため経営改革は喫緊の課題です。令和7年度では水道事業を、令和8年度では下水道事業、それぞれの重点課題として経営戦略の見直しに取り組んでまいります。また、施設の統廃合や老朽管路の更新などは継続して実施し、安定した経営運営に努めてまいります。
都市政策について
都市計画道路は交通ネットワークや沿道土地利用の骨格ですが、昭和30年代に計画された路線が多く、土地利用の変化や人口減少の観点などから見直しが必要であり、三重県のガイドライン等に基づき必要性を検証してまいります。
公園施設更新事業について、公園、緑地、広場は、人々のレクリエーションの場を提供し、生活に潤いと安らぎを与えるとともに、災害時の避難場所や都市環境の改善等、多様な機能を有しています。その中でも上野公園は年間10万人を超える人々が訪れる観光名所であることから、トイレの洋式化や景観に配慮した樹木の伐採を行い、国内外からの観光客にも安心して利用できる環境を整えてまいります。
伊賀市自転車活用推進計画については、庁内関係各課から意見を聴取し、その中から特に関係が深い11課が集まり庁内会議を行ったところです。引き続き、令和8年度において、にぎわいや交流人口を創出し、持続可能な市民の暮らしにつながる自転車活用のために、庁内の連携を図りつつ、計画策定に向けた検討を進めてまいります。
安心で安全な道路ネットワークの確保については、現在、通行止めとなっている山神橋を、令和10年度の完成をめざし工事を進めています。令和8年度には橋梁下部工と取付道路に係る構造物工事が完成する予定です。計画中の市道山神大谷線と合わせて整備することで、災害時の物資輸送の代替ルートや三田・府中地区の避難ルートとして利用でき、安心で安全な道路ネットワークの確保につながります。また、第2次緊急輸送道路である国道368号の代替輸送路として、災害時に重要な役割を担う市道予野大滝線及び市道水越予野線については、昨年度に引き続き、令和9年度の完成をめざし道路の改良工事を進めてまいります。
名神名阪連絡道路については、現在、三重県と滋賀県が事業化に向けた最適なルート帯の選定のため、有識者委員会において、先行区間の設定について議論が進められています。引き続き官民期成同盟会と連携し、私自身も国土交通省や三重県に出向いて先行区間の早期決定と速やかな事業実現のために国、県等に強く要望してまいります。また、関係団体と調整のうえ建設促進大会を実施するなど、連絡道路の早期実現をめざしてまいります。
住宅について
市営住宅は老朽化が著しく、既に全体の半数程度が耐用年限を超過している状況であり、これ以上の先送りが許されない重要課題であると認識しています。令和4年の「市営住宅のあり方」についての答申や議会からの提言書を踏まえ、今年度策定した「伊賀市営住宅整備・管理方針」に基づき、用途廃止を円滑に進めるため、制度の要綱等を作成し、既存民間賃貸住宅を活用した借上型市営住宅制度の導入を進めてまいります。
平成28年度に「伊賀市空家等対策計画」を、令和3年度には第2次計画を策定し、10年間継続的に空家対策に努めてまいりましたが、その間も人口減少等の影響により空き家の数が増加し続けていることから、令和8年度以降も継続的に空家対策を推進するため「第3次伊賀市空家等対策計画」を策定しました。
第3次計画では、4つの基本方針として「予防」「流通」「管理」「再生」に基づき対策を推進することとしており、これらに関する施策を実施することにより地域の皆様の生活環境の維持・改善、にぎわいの創出及び地域コミュニティの維持強化等につなげてまいります。
公共交通について
令和9年度以降の伊賀市の公共交通の方向性を示す「伊賀市地域公共交通計画」を、令和7年度から伊賀市地域公共交通活性化再生協議会で策定を進めており、本年11月末の完成をめざしています。
現状の課題や強みなどを整理したうえで、各交通手段の役割分担や評価方法、市民・地域・行政・交通事業者の役割分担を再定義し、将来の具体的な取組みを明記することで、第3次総合計画でめざす「身近なバスや鉄道に愛着を持ち、みんなで支える」を実現するための計画となるよう進めてまいります。
中心市街地と地域の生活拠点を結ぶ準基幹バスである阿波線と玉瀧線については、令和7年10月から地域旅客運送サービス継続実施事業として、国県と市の補助により運行しています。このサービス継続事業は最長で5年間となっていることから、今後は、地域自らが地域にふさわしい交通手段を考え実行するための組織づくりを進め、あり方について検討してまいります。
また、本年1月の「伊賀市地域公共交通活性化再生協議会」にて地域運行バス導入ガイドラインが改正され、導入要件が緩和されました。市内の交通不便地域における取組みの相談体制や伴走支援を強化してまいります。
島ヶ原地域におけるデマンドバスについて、開始当初と比べ利用者減少が続いていることから、運行形態について島ヶ原地域まちづくり協議会と協議を重ねた結果、令和8年4月1日からドアツードアのタクシー形式での実証運行を実施します。
地方鉄道は厳しい経営状況が続いています。令和7年度は、関西方面からの観光列車「はなあかり」の実証運行を行い、関西方面からの誘客促進、沿線地域の魅力発信に取り組みました。令和8年度も県や沿線自治体、関係団体との連携を深め、さらなる利用促進と利便性向上に向けた取り組みを進めてまいります。
伊賀鉄道伊賀線は、伊賀市の南北を結ぶ基幹交通であり、高校生をはじめとする通学利用を中心に、年間120万人近い移動を担う重要なインフラであるとともに、観光資源やまちの付加価値を向上させる役割も果たしています。令和8年度には次期「鉄道事業再構築実施計画」を策定し、安定的な鉄道事業の運営に努めるとともに、近鉄と沿線のまちづくりに関する課題を共有し、連携・協力を進めてまいります。改めて、市民の皆様の公共交通の積極的なご利用をよろしくお願いします。
こどもについて
令和8年12月に「こどもの権利に関する条例」を制定するための取組みとして、昨年、こどもへの暴力防止の活動に取り組まれてきたCAP (キャップ)みえスペシャリストの志治優美(しじゆみ)さんに、こどもの権利に関するアドバイザーに就任いただきました。専門的な助言をいただきながら、タウンミーティングの開催や庁内における検討体制を構築しました。条例の制定にあたっては、教育現場での学習とこどもの意見を反映させることが特に重要であると考えています。健康福祉部、教育委員会と人権生活環境部をはじめ全庁的な連携を強め、これまでも各学校で実施している「こどもの権利条約」などの学びを継続し、児童生徒自身が持っている権利を学ぶ機会を確保していくとともに、保護者や教職員を対象にアドバイザーによるワークショップを実施し、理解と実践力の向上を図っております。引き続き、権利学習や関係団体等出前講座を継続するとともに、こども向けワークショップの開催等により意見交換を行いながら、令和8年の夏頃には条例の中間案をお示しさせていただく予定です。
また、令和8年4月1日に施行される改正民法で養育費の支払いが親の責務であることが明確化されたことを受け、伊賀市では養育費の取決めに要する費用を助成する制度を創設します。養育費の確実な支払いを支援し、ひとり親家庭の経済的自立を図るとともに、全てのこどもたちが健やかに成長できるよう支援してまいります。
保育及び幼児教育の推進について、令和7年3月に策定した「伊賀市こども計画」では保育サービスの質的な向上が求められていることから、公立保育所が今後果たすべき積極的な役割等を再考し、新たに「伊賀市幼児教育・保育基本方針」を策定します。
阿山地域における保育所のあり方検討会を設置については、令和6年度、あやま保育所の民営化とたまたき保育所の閉所を撤回し、令和7年6月に玉滝地域の全戸を対象にアンケートを行い、様々なご意見をいただきました。玉滝地域だけで保育所のあり方を議論するのではなく、阿山地域全体の保育所のあり方について、こどもの育ちにとって何が最良かという視点を大切にしつつ、保護者や4つのまちづくり協議会と丁寧に検討してまいります。
地域型保育の導入については、市街地及び周辺において、待機児童が多く発生していることから、0~2歳児に限定して預かることができる地域型保育事業を実施するため、事業者を公募します。地域型保育事業を実施することで、待機児童の着実な解消につなげてまいります。
保育所等における3歳以上児童の主食(米飯)提供については、現在、28か所の、保育所・認定こども園のうち5か所が主食(米飯)を有償で提供していますが、ジェンダー平等の視点を含む保護者の家事負担軽減と経済的支援、伊賀産米を活用した地産地消の推進やこどもの食育推進等の観点から、令和8年度からすべての公立保育所で主食(米飯)を無償で提供します。また、私立の保育所・認定こども園においても、同様の提供が開始できるように働きかけを行うとともに、実施施設に関しては保護者負担相当分を事業者に助成します。
ブックスタート事業について、絵本を一緒に見ることや読むことは、赤ちゃんと保護者がゆっくりした時間を持ち、こころのふれあいや親子の絆を強くするきっかけ作りになります。家庭における読み聞かせの楽しさや読書の楽しさを知ることにつなげるため、「こんにちは赤ちゃん訪問」の際にお渡ししている「はじめよう読み聞かせ」の冊子に加え、生後4か月までの乳児を対象に絵本を配付するブックスタート事業を令和6年度以来復活させてまいります。
人権・平和について
市内で発生した差別事象では、大人がこどもに向けて差別発言をするという残念な事象も発生しています。改めて人権に関する啓発不足を痛感するとともに、人間の根底にある差別意識の解消に向けた啓発・教育の充実と、差別被害に対する相談体制の充実を急ぐ必要があると感じています。
現在、包括的な人権相談救済体制の構築に向けて、被差別当事者やその支援団体から差別の実態と解決に向けた方策などの聞き取り調査を行っています。令和7年度中にその結果を取りまとめ、令和8年度には当事者団体や有識者を交えた差別に対する相談調整会議を立ち上げたいと考えています。
また、平和事業については、令和7年度に戦後80年を機に開催した「平和のつどい」の内容をブラッシュアップして令和8年度に開催するなど、戦争の悲惨さから平和の尊さと日本国憲法の理念の大切さを学び、次世代の平和リーダー育成や日本国憲法の啓発に取り組みます。
学校教育について
いがまち地区の中学校区の再編について、令和7年7月より柘植中学校と霊峰中学校区内の小中学校の校長、保護者代表、住民自治協議会の代表からなる「いがまち地区中学校区再編検討協議会」を設立し、協議を進めています。霊峰中学校の校舎を利用し、「(仮称)霊山中学校」の令和9年4月1日開校をめざして具体的な協議を進めるとともに、よりよい教育環境を整備すべく備品の整備、校舎、体育館等の改修工事を行います。
生涯学習について
「二十歳のつどい」では、参加対象の皆様から実行委員を募り、当事者の声を大切にしながら初の開催に向けて準備を進めてまいります。令和8年1月には意見交流会を開催し、私自身も出席して直接対象者の思いや意見を聞かせていただきました。そこでは、過去の式典映像や、他自治体での取組みを参考にしながら、企画や構成について参加者と直接様々な意見交換を行いました。また、令和7年12月から令和8年1月にかけてウェブアンケートも実施しました。意見交流会で寄せられたご意見やアンケート結果は、今後3月に発足する実行委員会において企画や運営に反映し、誰もが楽しめる「二十歳のつどい」を通じて、若者の市政への参画や関心を高めていくことにもつなげてまいります。
文化・芸術について
ユネスコ無形文化遺産に登録されている「上野天神祭ダンジリ行事」や「勝手神社の神事踊」の保存継承に向けて継続的な取組みを行います。また、重要文化財町井家住宅などの保存修理を行うとともに、身近な文化財に親しむ機会を提供します。
新しい芭蕉翁記念館については、昨年度末、美術博物館建設準備委員会に、私の思いとして、中心市街地の特に伊賀鉄道伊賀線の南側の活性化にも波及することや、芭蕉翁の顕彰を中心にして、伊賀市の豊かな歴史や文化に触れることができる場になることなどを重視しているとお伝えしています。
今年度、委員会では、施設のめざす姿や基本理念、事業活動計画、展示計画などの検討をいただいています。
今年度内には基本計画の中間案をまとめ、令和8年度の初めにそれに対するパブリックコメントを募集し、その結果を踏まえて、答申を取りまとめていただく予定です。
芭蕉翁の直筆資料や歴史資料などかけがえのない財産を守り、調査研究し、未来に引き継いでいくとともに、こどもや家族が集えて、にぎわいの創出につながるような施設にしていただきたいと思います。
芭蕉翁顕彰についてですが、令和7年9月20日から12月23日に開催しました令和7年度第79回芭蕉祭特別展では、「宗房」の記名のある、最古の松尾芭蕉の真筆と推察される短冊を展示し、好評を博しました。令和8年度には、この短冊の購入することとし、松尾芭蕉生誕地・伊賀市の価値をさらに高め、その魅力を全国に、世界に発信してまいります。
住民自治・市民活動について
市内の各地域では、人口減少や少子高齢化の進展により、活動や運営の担い手不足など、住民自治を取り巻く環境は大きく変化しています。このような中、将来を見据えた住民自治のあり方を検討するため、令和7年7月に「伊賀市住民自治のあり方検討委員会」を立ち上げ、多角的な視点からご議論をいただいているところであり、令和8年度中に答申をいただく予定となっています。その中で示される様々な課題への取組みを進め、持続可能な住民自治をめざしてまいります。
多文化共生について
伊賀市は1990年代から、外国人住民の皆様が数多く働き、ともに暮らしている街です。社会に漂う排外主義的な風潮が、伊賀市で長年積み上げられてきた多文化共生の地域づくりの歩みを止めるものになってはなりません。お互いの文化的背景や多様性を認め合い、理解を深める交流づくりのきっかけとなる「多文化共生ガイドブック」の作成に新たに取り組み、今後、外国人住民が地域の人たちとともに活躍する、包摂性のあるまちづくりを進めてまいります。
また、令和8年度は、「多文化共生プラン第1期」の最終年となるため、これまでの取組みによる成果を検証するとともに、外国人を取り巻く情勢の変化を捉えた次期プランの策定に取り組んでまいります。
都市拠点について
にぎわい忍者回廊事業は、伊賀市の中心市街地にとって歴史的な転換点となります。この整備事業で生まれる新たな賑わいを、一過性のもので終わらせることなく、しっかりと中心市街地の活力につなげていくことが重要です。
まずは、上野ふれあいプラザ跡地の活用が重要であると考えています。本跡地の活用については、2月10日に学識経験者や建築・芸術の専門家、市民公募委員などで構成する「旧上野ふれあいプラザ跡地活用デザイン会議」での議論がスタートしました。今後は、にぎわい忍者回廊との一体的なつながりや周辺環境との調和を重視しながら、市民に開かれた多角的な議論を重ねていただき、同会議からいただく予定の答申をもとに、市街地エリアの未来に希望の持てる拠点整備に向けた検討を進めてまいります。
本年4月1日には、いよいよ新図書館「伊賀市中央図書館」が開館します。市民の皆様の期待に応えられるよう、図書をはじめとするさまざまなサービスを充実し、皆様とプロセスを共有しながら、人々が集い、郷土に愛着が持てるような交流型図書館「学び、創造、憩いの広場」を実現してまいります。
しかし、施設が完成することが決してゴールではありません。大切なのは、この「にぎわい忍者回廊」という舞台をいかに活用し、中心市街地の活性化へと変えていくかです。今後は、伊賀市にぎわいパートナーズをはじめとする関係団体などと連携を図ってまいります。市街地エリア全体の価値を向上させるべく、誰もが歩いて楽しい、そして誇りを持てる街づくりを力強く進めてまいります。
また、本年4月1日より、これまで赤字が続いていた市営城北駐車場を無料化し、さらに大型観光バスの駐車場を現行の5台から10台程度にまで増やします。このことを積極的に発信しながら、上野公園や中心市街地に訪れる観光客の増加や更なる利便性の向上につなげてまいります。
地域経済について
過去最大のプレミアム率100%の「かがやけ!くらし商品券」事業について、物価高騰の影響を受ける生活者や事業者をいち早く下支えするため、4月中旬の販売開始に向けて、着実に準備を進めています。スピード感を実現するため、DXの手法も取り入れながら、業務の効率化に取り組んでいるところです。商品券をきっかけとして、多くの方に地元の事業者や店舗を利用していただくことで、市民の皆様の暮らしを守り、地域経済の活性化につなげてまいります。
公共調達のあり方について、「伊賀市公共調達のあり方審議会設置条例に係る議案」を今定例月会議に提出いたしました。学識経験者や各分野の専門的知見を有する方、事業者、労働者の代表の方などを委員に選任し、公契約基本条例や公共調達を通じた社会課題の解決のあり方について、幅広い観点から検討してまいります。
商工・労働について
「伊賀市産業振興条例」について、理念だけではなく、より実効性のあるものとするため、具体的な「アクションプラン」の策定に向けて取り組みます。
このプランは、市役所内部にとどまることなく、商工団体や事業者の皆様などによる現場の実行プランも合わせて集約しながら、官民一体となって作り上げようというものです。
市内の事業者が連携し地域経済を回していく「市内の経済循環」をこのプランで具現化し、伊賀市の持続可能な産業基盤を築いてまいりたいと考えています。
起業支援について、私たちの誇れる地域の資源を活かして起業する「ローカルスタートアップ」や、既存の企業がこれまでの経験を活かし、新分野へ進出する「第二創業」などの後押しを積極的に進めてまいりたいと考えています。
専門的な知見を持つ伴走支援者や、市内外の企業とのネットワークを構築し、官民が連携して、若い世代や意欲ある事業者による新しい挑戦とその成長を支える環境を整えます。「伊賀だからこそ成功できる」ビジネスモデルを確立して、次世代こそが挑戦できる活気ある街づくりをめざしてまいります。
農業・林業について
伊賀市の農業の現状や課題等を把握及び分析し、農業振興を図るための基本方針や施策を定める「伊賀市夢のある農業振興計画」の策定に向けて鋭意取り組んでおり、令和8年12月の完成に向けて進めてまいります。
次世代の意欲ある農業者を育成するため、地域の集落営農組織等と連携しながら、「地域おこし協力隊」を活用する人材育成カリキュラムの構築に取り組みます。その知見を活かしながら「農業アカデミー」として学びの場を提供して、農業と農村の未来を創造する人づくりに積極的に取り組んでまいります。
渇水・高温対策について、近年の気候変動の影響は深刻さを増しており、本市においても渇水や高温に伴う水稲被害が懸念の声を多数いただいております。農業者の皆様の負担を少しでも軽減するため、国の支援対象から漏れてしまうケースも広くカバーする「市独自のセーフティネット」を構築し、既設ポンプの運転に係る経費やサイホンの修繕など、その一部を助成し、支援を行ってまいります。
林業施策の推進については、令和8年度から「未来の山づくり推進室」を課とすることで体制を強化し、森林境界明確化・環境林整備保全の推進、伊賀産材の出荷量増加・木材の活用促進にさらに取り組んでまいります。令和8年度も引き続き、森林環境整備として災害に強い森林づくり、魅力ある地域の山づくりの推進や、伊賀産材の利用推進と供給を増加させることを目的とした補助制度の創設、山の魅力発信など森林資源の有効活用や自伐型林業の推進として、事業展開に向けての調査、新たな担い手の育成などを検討してまいります。
関係人口について
「伊賀市若者会議」のほか伊賀地域の高校と連携し、次世代を担う若者のシビックプライドの醸成や定住促進に取り組むとともに、自らが地域の担い手となる意識を持ち、地域の課題を解決するための人材育成にも力を入れてまいります。
大学との連携では三重大学、伊賀市文化都市協会、上野商工会議所を含む4者と連携協定を締結しており、伊賀地域の充実と発展を目的とした伊賀連携フィールド事業に取り組んでいます。引き続き、関係機関と連携し産学官連携活動、教育研究活動をさらに発展させてまいります。
移住定住について、これまで移住コンシェルジュによる丁寧な移住相談や移住後のサポートのほか、移住セミナーの実施、補助金制度等の活用による移住者支援に加え、移住ポータルサイトやSNSを活用した市の魅力発信等を行うことにより、移住・定住の促進に特に力を入れて取り組んでまいりました。移住相談も着実に増えており、令和8年1月末時点の年間移住者数は109人と過去最高のペースで推移しています。
また、今後も伊賀の魅力や地理的優位性を効果的に発信して「来たい・住みたい・住み続けたい伊賀市」の実現に向けて取組みを進めてまいります。
広聴広報について
「市長と市民のつながり」を結び直すべく、今年度から市長が直接出向く広聴広報として実施しています「あなたと話したい!市長ふれあいトーク」を、これまで14回実施し、延べ226人の皆様と環境や防災、暮らしの基盤、子育て・高齢者支援、地域活性化など幅広い分野について意見交換をしてまいりました。引き続き、令和8年度もより使っていただきやすい制度への見直しも進めながら、月2回程度の実施を継続し、地域課題の解決や市政のブラッシュアップに向けて積極的に地域に出向き、市民の皆様の思いや考えをお聞きしてまいります。
行政経営改革について
第3次伊賀市総合計画に掲げる「めざす姿」の実現に向け、本市が抱える問題と取組む課題を整理した行政経営改革を進めるための考え方と、事務事業を改善するための職員の業務支援ツールとなる4つのガイドラインをまとめた「共感による公共マネジメントパッケージ」を、令和8年1月に策定しました。また、公共施設最適化計画について、今後見直しについて検討したいと考えております。
「ひと・もの・かね」といった経営資源が減少する中、未来の世代にとっても、より良い社会を築くため、このパッケージに基づき、市職員が自律的に行政経営改革を考え、最も重要な市民の皆様との共感を生み出す行政となるよう行動する仕組みを構築してまいります。
その一つとして、市民の皆様が政策の過程のさまざまな段階で自発的に関与していただくことが重要であることから、昨年12月定例月会議でご提案いただきました「市民参加型予算事業」を令和8年度にゼロ予算事業として実施し、寄せられた提案やアイデアを令和9年度当初予算に積極的に取り入れていきたいと考えています。
広域連携について
伊賀市を中心市とする定住自立圏については、令和4年に策定した「第2期伊賀・山城南・東大和定住自立圏共生ビジョン」の計画期間が令和8年度で終了することから、引き続き圏域の課題に対応していくため、令和9年度から令和13年度までの5年間を計画期間とする「第3期伊賀・山城南・東大和定住自立圏共生ビジョン」を圏域を構成する市町村と連携・協働し、策定します。また、令和8年度は、こどもたちのエリアプライド(圏域の誇り・自尊心)の醸成に向けた交流事業を実施します。
公共施設について
あやま文化センター及び阿山ふるさとの森公園については、その利活用を検討するため、関係各課で構成する庁内検討会議を設置しました。同会議では、「あやまの公共施設を考える会」及び「阿山地区住民自治協議会連絡会」から提出された提言書を精査し、両施設に関する課題の整理、利活用の実現可能性の調査・検討を進めています。
今後は、(仮称)あやま文化センター施設活用等検討委員会を設置するなどにより、阿山地区の皆様をはじめ、市民の皆様の参画と協働のもと、検討を進めてまいります。
昨年10月に方針をお示ししました大山田公共施設複合化整備についても、地域の拠点として市民の皆様が集える施設となるよう、地域や関係団体の皆様と協議を進めていきたいと考えています。
第3次伊賀市総合計画に掲げた将来像「すべての ひとが輝く 地域が輝く ~みんなで話そう 伊賀市の未来~」の実現に向けて、「“共感”による公共のしくみづくり」「“まなび”によるひとづくり」を市民の皆様と一緒に全力で進めてまいります。
令和8年度は、市政の推進に必要不可欠な市民と行政との間に「共感」を生み出すことのできる組織づくりに取り組みます。複雑化する市民や地域のニーズに迅速かつ的確に応えるために、各部局の縦割りだけではなく部局横断の政策調整を強力に図るための体制を整備します。さらに、本庁と各支所との連携強化と地域振興を支える体制も充実させ、市民の皆様とともに「まち」と「むら」がともに輝く、個性豊かで持続可能なまちづくりに挑戦していきます。あらゆる政策形成の上でも行政だけの視点ではなく、市民目線と市民参加のプロセスにこだわり、その積み重ねの先にこそ、この街の自治と民主主義が豊かに花開く未来があるものと確信しています。
伊賀市役所未来政策部秘書広報課
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