令和5年度(第77回)芭蕉祭献詠俳句等受賞者について
- [公開日:2023年11月7日]
- [更新日:2023年11月7日]
- ID:11588
ソーシャルサイトへのリンクは別ウィンドウで開きます
現在位置
あしあと
ソーシャルサイトへのリンクは別ウィンドウで開きます
芭蕉翁の業績を称え遺徳を偲ぶ令和5年度(第77回)芭蕉祭を、10月12日(木)、上野公園を中心に行いました。 芭蕉翁銅像、文学碑への献花・献菓のあと、上野公園内の俳聖殿前で式典を行い、献詠俳句特選句の披講、懸額除幕、各受賞者を表彰しました。
各部門の特選・最優秀賞作品と、一般の部で入選した市内の皆さんの句を紹介します。(敬称略)(選者は五十音順に記載)
せせらぎに音色重ねて河鹿笛 津市 紫雲女
沈みゆく太陽捉へ曼珠沙華 岡山市 伴 明子
丹波太郎あすは次郎も連れてくる 国分寺市 湯口昌彦
春の夜の金泥に富士うかみたる 習志野市 鈴木禮子(禮は礻(しめすへん))
水打つて午後の診療始まりぬ 江戸川区 坂本昭子
はらからと話し尽して黙涼し 堺市 濵田 昭
花野上空T字尾翼の軍用機 杉並区 余村光世
草刈機自走す石を弾きつつ 板橋区 望月とし江
兄が跳び弟が跳びこどもの日 伊賀市 森永元希
山裾に戸毎のたつき秋灯 伊賀市 田端昭子
雁渡る城に芭蕉の羈旅の笠 名古屋市 駒木逸歩
一山は忍祖の砦鷹巣立つ 伊賀市 下村哲朗
新涼や座敷箒を買ひ替へて 西尾市 齋藤佳織
香水の一滴心律したる 神戸市 齊木富子
雲の峰崩れて暗き太平洋 兵庫県 小林恕水
砂漠とふ地球の裸体夏の月 志木市 真尾公子
一隅に虚子之塔あり天の川 三木市 岡本やすし
翁生家世塵を寄せぬ白障子 伊賀市 森中幸枝
蝌蚪の水借りて一日の鍬洗ふ 横浜市 沼宮内 薫
道をしへ一本道を教へけり 新居浜市 大賀康男
どの岩も名のある岬寒怒濤 登別市 袖山 功
霧と霧交はる峠越えて伊賀 鈴鹿市 高尾のり子
鮑捕る担ひ手なしと海女嘆く 伊賀市 澤井重正
早乙女の結の揃ひの赤襷 枚方市 伊瀬知 正子
熊かへす空砲ひとつ水芭蕉 品川区 本多遊子
銀河濃し奥能登統ぶる須須神社 横浜市 有手 勉
海の紺けふ深くして初茄子 志摩市 松村正之
荒行の終の蓬髪山笑ふ 川口市 滝本史代
▼テーマ:「和」
雪国の雪の白さの手漉和紙 長野市 木原 登
合性といふは酒にも木の芽和 多治見市 荻原正三
first snow morning …
holding a dead dog
road to crematorium
(初雪の朝荼毘に付す犬腕に)
Aya Takao / Japan
silence of birds
the steel bridge quivers
in the heat
(鳥黙す極暑に鉄の橋震へ)
Nina Kovačić / Croatia
半歌仙『這ひ出よ』の巻 滋賀県 谷澤 節 捌
這ひ出よ飼屋が下の蟾の声 芭蕉翁
土間の隅には行水の桶 谷澤 節
眠たげな頑是無き児を背に負ふて 松本奈里子
散歩がてらに九九を教える もりともこ
満月の湖に澪曳く丸木舟 節
風のかたちに揺れる葦原 里
名刹の胎内巡り秋深め と
ミケランジェロのピエタ美し 節
ふと漏れた言葉の意味を計りかね 里
寝物語は甘く切ない 節
にせものの家系図広げしたり顔 と
寒禽てらす月は青ざめ 里
サイレンの音に飛びだす火事明かり 節
一番乗りは貧乏神か と
肩ならべ親父とくぐるのれん酒 里
浅蜊佃煮江戸の土産に 節
花筏迷路のような堀をぬけ と
見はるかす野に蓬摘む人 里
令和五年七月十五日 満尾 文音
伊賀市 迎出美代子
青山小学校4年 竹中栞那
みずてっぽうにんじゃみたいにかくれうち いなこ保育園 福井優月
きゃんぷじょうぎゅうぎゅうづめのおほしさま ゆめが丘保育園 梶川丈志郎
すいかきるぼくはでっかいままたべる 蔵持こども園 森永彩央
ぼくのあしうきわのしたはひろいうみ 伊賀市立上野南小学校1年 鈴木敬士
なつのそらきいぱあのぼくあせだくだ 伊賀市立成和東小学校1年 ダ シルバ ヨナタン
ばいくのりあせべちゃべちゃのへるめっと 伊賀市立久米小学校1年 圡井美陽
キャンプまえじざいむすびをもうとっくん 伊賀市立友生小学校2年 荻田陽平
ザリガニをつかまえつかまえ夕ぐれだ 伊賀市立府中小学校2年 福森 護
あせものせスリーポイントシュートする 伊賀市立壬生野小学校2年 金谷琉聖
父さんのギターにまけるなヒキガエル 伊賀市立上野西小学校3年 北村 連
植木ばちトカゲのしっぽすっときえ 伊賀市立三訪小学校3年 前川心優
うちわとりやっととれたよひとあおぎ 伊賀市立西柘植小学校3年 中川知優
オニヤンマ自分のしっぽかんでいる 伊賀市立柘植小学校4年 稲森竜輝
どこへいく花火追いかけ首反らす 伊賀市立阿山小学校4年 福森帆乃
蓮ひらくてらのいりぐちおでむかえ 伊賀市立大山田小学校4年 東出京夏
竹あかり暑さわすれた城広場 伊賀市立上野西小学校5年 田中広翔
そめたいないろんな色にかきごおり 伊賀市立久米小学校5年 土田あいみ
おにぎりをみんなで食べた川あそび 伊賀市立阿山小学校5年 シンサト ヒデキ
いきいきと風鈴おどる伊賀列車 伊賀市立上野東小学校6年 西山誠剛
夏うぐいすこ線橋から空へ飛ぶ 伊賀市立柘植小学校6年 堀川乃彩
逆転の一打伸びゆく夏の空 伊賀市立上野西小学校6年 中山吏人
夕立の白く沸き立つアスファルト 伊賀市立緑ヶ丘中学校1年 長井鈴々
くやしくてそでで汗ふき素振りする 伊賀市立緑ケ丘中学校1年 井上友太
誘われただけでうれしい夏祭り 伊賀市立阿山中学校1年 中尾碧衣
夏の朝スパッと解けた方程式 伊賀市立崇広中学校2年 柳美々子
見えますか戦禍の国で天の川 伊賀市立島ヶ原中学校2年 井村天喜
先輩と互角の試合花は葉に 古賀市立古賀東中学校2年 大塚凛和
釣竿の先に海月と白い波 伊賀市立緑ヶ丘中学校3年 武村悠登
野も山も深く溺れる梅雨の時期 津市豊里中学校3年 村山蔵之介
夏至の日やゆっくり歩く通学路 古賀市立古賀東中学校3年 太田幸来
指揮棒のリズムと共に夏はじく 三重県立上野高等学校1年 粒來啓太
あと二分解けぬ問題五月雨 中央大学杉並高等学校2年 砂押海士
朝若葉慌て詰め込む手弁当 三重県立紀南高等学校3年 下川美沙姫
※市内在住の方のみ掲載しています。
花野へと飛び込んでゆく下山かな 池本準一
梅雨晴間山の風車の勢ひかな 福森志津子
来世へと羽搏く吐息冬の蝶 森本文子
ひと夜さの鼻緒に染まる素跣かな 羽根千恵
単線の鉄路のひかり夏めきぬ 橋本良子
助手席の妻の案内ねむの花 森永 宏
白球を追いかける声夏近し 工藤大知
父の日の手を取り爪を切りにけり 中島庸子
ガスボンベ担いで来たる梅雨の路地 上田幸子
左官屋の車の影に三尺寝 速水英子
大花火音だけ聞こえほえる犬 松本聖子
蝉の声聞きつつ磨く祖母の墓 森林紗織
荒神の祭へ伐りし竹匂ふ 土井陽代
手洗ひの痩せし石鹸小鳥来る 上田幸子
朝の水よろこぶ肌夏立てり 坂石佳音
蓑虫庵葺替へし屋根月涼し 土井陽代
隅蓋に止まりて夏至の夕鴉 永井みよ
蕺草の白の更けゆく一燈下 西田尚子
今年又この花蔭にゐて老いぬ 原 禮子
紫陽花の藍深まれる鍵屋辻 猪岡節夫
紅花やまた寿貞の忌巡り来て 西田ゆかり
栗の花散る参道も翁道 三山隆一
家康の馳せし峠や道をしへ 桑原智代美
初夏の空搾れば青のしたたるか 稲垣 桂
降りつづき滝の形相寄りつけず 山村としお
憲法記念日前文語る師を偲ぶ 川口義和
黙祷に始まるクラス会の夏 西野登志子
割石の蔭に石工の三尺寝 澤井重正
校長を無事に卒業三月尽 澤田 剛
ランドセル色とりどりの蕾たち 稲垣碧星
蕉翁の生家の庭に花芭蕉 下村哲朗
躓きし畳の縁や青葉冷 上田幸子
長き夜の舌に転がす虚子百句 福沢義男
献香の寺の格式星月夜 山村勝子
木の芽晴れ十三仏の風をきく 西山登志子
古池やただ一輪の額の花 杉尾美也子
初成りのトマトの厚き皮の味 中森里江
用水の流れ豊かに夏めきぬ 橋本良子
刈り終へし羊ももいろ風光る 米野てるみ
漆黒の山に星鴉の寝息 小川ひとみ
暮るるまで野良着のままの端居かな 稲森すま子
一代の蔵書の整理梅雨じめり 北出たてを
西日さす駅舎にひびく駅ピアノ 井上忠生
パール・バックの全四巻や夏休 福田容子
いづくから来て秋耕の千枚田 桑原智代美
もてなしと蓑虫庵の蚊遣り香 中嶋國博
散り敷きていまだ盛りや沙羅の花 岡島千秋
明易やまぶたのうすき沖鴎 小川ひとみ
一望に植田千枚風青し 山下久美
荒梅雨や鯉の吐く水濁りゐる 森永康子
草の葉の蛍を掬ふたなごごろ 北田美智代
晩涼のひときは灯す鉄工所 小倉秋子
青時雨はたと出合ひし友ひとり 橋本秀子
※市内在住の方のみ掲載しています。
平和とはかくも靜かや原爆忌 前出美千子
伊賀市役所企画振興部文化振興課(芭蕉翁記念館内)
電話: 0595-22-9621
ファックス: 0595-22-9619
電話番号のかけ間違いにご注意ください!